お琴は弦楽器の一つですが、絃が何本あるかわかりますか?お琴を始めるまではしrない人が多いですよね。
今回はお琴の絃について解説します。
お琴の絃って何本あるの?
学校公演に行った時などに皆さんに質問をしたり受けたりするのですが、結構聞かれるのが絃についてです。中でも多いのが、「何本ありますか?」という質問です。では、お琴の絃って何本あると思いますか?
3本?6本?10本?・・・・・
正解は、「13本」です!
ギターは6本だったり三味線は3本だったり、ヴァイオリンは4本だったりしますが、13本は弦楽器の中では多いですよね。
絃が多いと難しそうって感じるかもしれませんが88鍵もあるピアノに比べたら少ないですし、弾いているうちにすぐ慣れます。
教室では、絃を早く覚える方法も教えますので心配しなくても大丈夫です。
お琴の絃ってどう数えるの?
弦楽器はたいてい自分に一番近い絃が一番低い音になるのですが、お琴の場合は逆で、自分から見て一番遠い絃が低い音になり、自分の方に近づくにつれて高い音となります。そして一番遠くて一番低い音の絃を「一」と数えます。そこから手前にひとつずつ順番に、
二、三、四、五・・・と続いて「十」まで漢数字で数えていきます。
その後、11本目から13本まではどう数えるかというと、漢数字ではなく漢字の名前がついています。
・11本目=斗
・12本目=為
・13本目=巾
ちょっと特殊な感じがしますよね。これは、漢数字になる前は13本全ての絃に漢字の呼び名がつけられていた時の名残と言われています。
お琴より大きな十七絃ではこの斗・為・巾は使わず11本目からは算用数字で表しますし、20絃になるとまた斗・為・巾が復活したりしますのでややこしいですが、その楽器を習うたびに慣れていきますし、不思議と混ざらないで弾けるようになります。
そして、お琴の楽譜は五線譜のような音符ではなく絃の名前がそのまま表記されるので、とてもわかりやすいんです。
お琴の絃って何でできているの?
これも質問されることが多いのですが、お琴の絃は主に2種類あります。
1.絹糸
昭和の初め頃まではほとんど絹糸が使われていました。
絹糸の特徴は、遠音がさすと言われる、大きな音ではないのにのびやかに響いて遠くまでよく聞こえる音がでることです。
柔らかい音質でさまざまなテクニックや繊細な爪づかいの微妙な変化を表現しやすく、お琴という楽器の魅力を最大限に出せるのが絹糸です。絃を押した時の感覚もしなやかでそんなにきつくは感じませんし音の定まりもいいので、古典曲を弾くときは特に合います。
ただ、絹糸は価格が高い・糸が切れやすいというデメリットがあります。私は3日で切れていましたが、もっと練習量が多かったり激しい曲ですと1日で何回も切れてしまったりします。高価なものなので毎回絃を変えるわけにもいかず、絹糸が切れた場合は大体自分で締め直します。練習している時間より糸を締めている時間のほうが長かった!なんてことも。
2.テトロン
絹糸の代用品として使われるようになったのがテトロンです。
テトロンはポリエステルでできた合成繊維で、絹糸に比べて低価格なので最近はテトロンを使う人が圧倒的に多くなりました。
テトロンの特徴は、強度があるので切れにくく、半年くらいは持つのでコスパが良いということです。強く張ることもできて、激しく弾いたりしてもそうそう切れませんし、音質もパリッとした音が出るのでメリハリや音質の変化を出しやすく、表現の自由度が増すので現代曲に向いています。
その強さの分、張力があがるので押手は結構つらいです。習ってから何年も経てば皮が厚くなったりして指も慣れるので大丈夫ですが、習い始めのうちは押手の多い古典を弾くと1回で指が痛くなったり、正確な音まで押せないなんてことも。
絃のメンテナンスってなにをするの?
テトロンに代わっていくら切れなくなったと言っても、一度張った絃をずっと使えるわけではありません。練習を重ねるうちに、弾くところが毛羽立って切れてしまったり、張力が落ちて緩くなってきたりします。
そんな状態になったら、お琴屋さんに頼んで絃を張り直してもらいましょう。これを「糸締め」といいます。
糸締めには2種類あって、絃の状態などによって変わります。
・新糸締め(あらいとじめ)
13本すべてを新しい絃にして締め直すこと
糸代と糸締め代がががります。演奏会などはこの新糸締めをします。
・天地締め(てんちじめ)
龍角側の弾いている方と龍尾側のくるくる巻いてある方を入れ替えて締め直すこと
糸締め代のみかかります。1回新糸締めをしたあとにこの天地締めをします。
1回購入した絃で2回使うことができますが、天地した絃の方が新糸よりも痛みやすくなります。
どちらの場合でもお琴屋さんに糸締めをお願いするときは、練習する曲の調弦や出したい音などを伝えて、満足できる状態にしてもらいましょう。
まとめ
いかがでしたか?お琴の絃は13本、自分から遠い方から順番に漢数字で数えるのでわかりやすいですよね。あとは斗・為・巾だけしっかり覚えればもう大丈夫、すぐに弾けるようになります。
お琴を始める前に体験を受けてみたいなという方や、興味があるなという段階の方でも、知っておくとなんとなく安心できるような基礎的なことを記事にまとめました。お琴がもっと身近で親しみやすく、あなたのお琴ライフがもっと楽しくなりますように♫