琴について 琴教室

お琴の習い事は心の成長ができるって本当?

私の生徒さんに失敗するのが嫌だというお子さんがいました。練習でもレッスンでも間違えると大泣きしてしまい、感情が爆発してしまっていました。間違えた箇所を練習するように伝えても、間違えるところが嫌で、できるようになっていないのにまた最初からそこまで何度も弾いてその度に間違えるということを繰り返していたんです。「どうやったら失敗しないで弾けるんですか」「先生は失敗したらどうやって乗り越えるんですか」という質問を投げかけてくることもありました。お子さんは特に感情で「わーっ!」ってなっていまうことも多いですよね。教室では、お琴という楽器の弾き方やテクニックを習いながら、心のあり方や心の持ち用なども学んで成長してきています。今回は心の成長についてまとめてみました。

お琴を習うと心の成長ができる?

お琴に限ったことではなく芸術系の習い事での共通点となりますが、心も成長できると言われています。どんな効果かとその効果がある理由について次から説明しますね。

1.想像力が育まれる

お琴はその人の感性をより豊かなものにしてくれます。とくにお子さんのうちから始めると柔軟にさまざまなことを吸収し、それを音楽で外に出してあげることで空想力や想像力を伸ばすことができます。お琴は歌も歌うのでその歌詞や音楽の強弱、ストーリー性に溢れています。また主人公の心の動きを表したり、自然の些細な変化を歌っている曲もあります。音楽自体の物語に思いを馳せたり、背景に隠れているストーリーをイメージしたりということを繰り返していくうちに想像力が豊かになっていきます。想像力が豊かになると、
1.広い視野で多角的に物事を見られる
2.最悪の状況をも想定でき、本質を見抜くことができる
3.固定概念にとらわれず、柔軟な発想ができる
4.相手の立場に立って考えられる共感力が身に付く
というようなことができるようになります。

2.表現力が磨かれる

自分で考えたり感じたりしたことを自由に表現できるようになるって楽しいことです。言葉以外で感情を表現する方法を手に入れられると、例えばイライラすることやストレスを感じることがあっても、その感情をお琴で思う存分表現できると、ネガティブな気持ちが発散されてスッキリします。特に小さなお子さんは言葉でうまく感情が伝えられないこともありますよね。そんな時にお琴を弾くことで、ワクワクしたりイライラしたりという感情を音に乗せて表現できれば、健康的にのびのびと育つことができます。大人になっても、心の内の感情を外に出すってなかなかそんな機会がないと思います。また、あえていろんな感情を作って表現するということも普段の生活ではあまりしないと思うんですが、音楽の曲調に乗って感情も込めながら演奏することで表現力が高められます。表現力が豊かになると、
1.喜怒哀楽がはっきりして表情も豊かになり、表裏がなく人から安心してもらえる
2.「伝えたい」という気持ちがはっきりしてくるのでコミュニケーションが上手になる
3.色々な感情を表現するために色々な経験を楽しめるようになる
という良いことがあります。

3.失敗を恐れなくなる

失敗したり間違えるのが嫌だという人は多いと思います。できれば失敗はしたくないですよね。でも、お琴の練習において間違えることはとても重要で、そこから学べることがたくさんあります。生徒さんにも「間違えた時こそ上手になるチャンスだよ!」と言っています。世の中に失敗ってないんですよね、実は。エジソンの有名な言葉があります。「私は失敗したことがない。ただ、1万通りの、うまくいかない方法を見つけただけだ。」「失敗したわけではない。それを誤りだと言ってはいけない。勉強したのだと言いたまえ。」本当に失敗があるとしたらそれは、間違えたところで終わらせてしまっている場合です。失敗が悪いことだと思っていると嫌だとか怖いという感情に振り回されてしまって前に進めません。成長が止まってしまいます。間違えたら、「あーもうやだ!」と落ち込んだり怒ったりするのではなく、何が違っているのか、うまく弾けない原因は何か、他の練習方法はないかをじっくりと考えて検証していけば良いんです。そうやって自分の行動を分析して他の方法を見つけて間違えずに弾けるようになるという成功体験を増やしていくと、技術面だけでなく失敗を恐れないというメンタルも取得できます。そうすると
1.なんでもチャレンジできるようになって経験値が上がる
2.冷静に物事を見つめて分析できるようになる
3.できる方法を探していくので問題を幅広い視点から解決できるようになる
4.失敗というネガティブなことにも落ち着いて対処できるようになる
という成長を望めます。

まとめ

お琴を習うって、技術が身に付くだけではないんです。独学では難しいかもしれませんが、先生に導いてもらいながら一緒に、感情をコントロールしたり音楽を表現したり、間違えないための練習方法などを身につけていくと、心も成長することができます。社会生活の上でも人間性としても、お琴を習うことで素敵な人になってもらえたら、とっても嬉しいと思います。

 

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