Rekisiことのみりょうく「箏」という楽器を聞いたことはあるけれど、実際にどんな楽器なのか、どうやって演奏するのか、
イメージがわかないという方も多いのではないでしょうか?
「敷居が高そう」「作法が難しそう」「なんとなく古風で堅いイメージがある」
そんな印象を持たれがちなお箏ですが、実はとても奥深く、しかも誰でも気軽に始められる楽器なんです。
今回は、そんな箏の基本から、その魅力まで、初心者の方にもわかりやすくご紹介していきます。
箏の歴史 〜千年以上の時を超えて〜
箏の歴史は非常に古く、奈良時代(約1300年前)に中国から伝わった「雅楽(ががく)」で使用される
弦楽器のひとつが、箏の原型とされています。当時は主に宮中で演奏される格式の高い存在で、
貴族のたしなみとして愛好されました。
室町時代に賢順というお坊さんが、雅楽から箏だけを独立させて現在の箏曲の大元を築きました。
江戸時代になると、八橋検校(やつはしけんぎょう)という人が箏や爪などの改良や作曲などをして
現在のような13本の絃を持つ箏を広め、独奏や合奏の音楽として楽しまれるようになりました。
八橋検校の作った「六段の調べ」は400年以上経った今でも演奏されている名曲です。
その後、現在まで続く流派が続々と生まれ、それぞれの流派に合う楽器や爪などに改良されていきました。
明治以降には、文明開花で入ってきた洋楽の要素を取り入れた楽曲が作られたり、
時代とともに形を変えながらも、今に至るまで多くの人に親しまれ続ける日本の伝統楽器となっています。
箏の構造は? 見た目も美しい日本の弦楽器
箏は、長さおよそ180センチ、幅30センチほどの細長い木製の楽器です。
主に桐の木で作られ、木をくり抜いて中を空洞にし音が共鳴する細工を施して裏板を張った、見た目もとても美しい楽器です。
表面には13本の絃が張られており、それぞれの絃に「柱(じ)」と呼ばれる可動式の駒を立てることで音が出るようになります。
この柱を動かすことで、音の高さ(音程)を調整することができるので、さまざまなジャンルの曲を弾くことができます。
演奏時には、「爪(つめ)」というピックのような道具を、右手の親指・人差し指・中指にはめて絃を弾きます。
左手は絃を押さえて音を変えたり、引いたり揺らしたりして独特の表情を加える役割を果たします。
音色はとても繊細で優雅。水の流れのように澄んだ音から、力強い響きまで、幅広い表現が可能です。
箏の魅力って? 初心者にもやさしいポイント
箏の魅力は何といっても「音の美しさ」と「自由度の高さ」です。
ただ流して弾くだけでも美しい音色は、心を癒し、聴いているだけでどこか懐かしい気持ちになります。
また、演奏方法や曲のジャンルもとても幅広く、古典的な曲(主に江戸時代から明治時代にかけて作られた曲)はもちろん、
現代音楽やポップスとのコラボレーション、アニメや映画音楽をアレンジした楽曲まで、多彩な楽しみ方が可能です。
最近では、洋楽器と合わせたり自由度が高いということで、若い世代にもじわじわと人気が広がっています。
そして、初心者の方にもやさしいポイントとしては、譜面が「数字で書かれている」という点があります。
ピアノの五線譜と違い、箏の楽譜は「一二三…」といった漢数字で書かれています。
絃の番号がそのまま楽譜になっているので、五線譜が読めくてもすぐに曲を弾くことができます。
箏ってどこで習えるの?
「箏をやってみたい」と思ったら、ぜひ一度、教室や体験レッスンを探してみてください。
地域の文化センターや音楽教室、またはオンラインレッスンなども充実しています。
先生の多くは、初心者にも丁寧に教えてくれるので、まったく初めてでも安心です。
楽器を持っていなくても、教室ではレンタル可能なところも多いので、まずは気軽に体験してみるのがおすすめです。
まとめ 〜箏はもっと身近な楽器〜
箏は、長い歴史と伝統を持ちながらも、誰でも楽しめるとても身近な楽器です。
和の心を感じる音色、そして自分の指で直接音を奏でる楽しさは、他の楽器では味わえない特別な体験です。
ぜひ、あなたも箏の世界に一歩踏み出してみませんか?