琴について

お琴の爪のメンテナンスってどうするの?

お琴教室に通ってお琴を習い始めた方、最初のレッスンの時にご自分のお爪を、先生やお琴屋さんに作ってもらいませんでしたか。お琴の爪って爪と輪っかに分かれていて、自分の指の大きさに合う輪っかを爪につけて自分だけのお爪を作ります。ですので、何かあった時に他の方にお借りしても指に合わなくて弾きにくいということになります。また、お爪も輪っかも消耗品ですので練習を重ねていくうちにボロボロになっていきます。そうなると交換しなくてはいけません。でも、毎回先生やお琴屋さんに作ってもらうのも大変ですよね。今回はご自分でできるお琴の爪のメンテナンスについてまとめてみました。

お琴のお爪のメンテナンスってどうするの?

お琴のメンテナンスは主に、お爪本体と輪っかの二つをみていきます。次から、替え時の見極め方や替え方について説明していきますね。

1.お爪のメンテナンス

生田流のお琴の爪は四角いので角が二つあって、片方の角を使って絃を押し弾いたりはじいたりして演奏します。この角があるおかげでキラキラした美しい音を奏でますが、爪は象牙でできているので(プラスチックのお爪を使う方もいます)練習していくうちに絃と擦れて消耗していきます。お爪の替え時は、弾く方の角が丸くなったりかけてしまったりした時です。角が丸くなってしまうと素敵な音が出しにくくなってしまうからです。では、毎回新しいお爪を購入しなくてはいけないのでしょうか。

いいえ、そんなことはありません!使うお爪を入れ替えるだけでいいんです!大抵の場合、最初に角が丸くなってしまうのはよく使う親指のお爪で、次に中指→人差し指の順でですが、人差し指と中指のお爪はまだまだ角はしっかりしていることが多いんです。親指で弾く角と人差し指・中指で弾く角は逆になるので、入れ替えるだけで新品同様に使うことが出来ます。替え方ですが、

①丸くなった親指のお爪→人差し指に、②人差し指のお爪→中指に、③中指のお爪→親指に入れ替えます。

これでどのお爪も角が新しくなります。つぎにまた練習して親指のお爪が丸くなってきたら、この①②③の順番をもう一度繰り返します。そうすると、親指のお爪の角は新品同様に、人差し指と中指はそこそこ角を保った状態で弾くことが出来ます。

そもそもお琴のお爪は3個セットで売られています。今はネットで安いものも売られていますが、長く使うことを考えて象牙のお爪を購入する方が多いです。象牙のお爪は3個で5,000〜10,000円くらいしますので、毎回購入するとけっこうな金額になりますよね。上記のやり方で2回入れ替えると、よく練習する方でも何年も持ちますのでコスパが良くなります。どのお爪も両側が丸くなったら新しいお爪を購入しましょう。その際も古いお爪は予備用に取っておきましょう。演奏会の時に汗でお爪が外れてしまった場合の代わりのお爪や、落としてしまったりして欠けてしまった時の臨時のお爪にすると良いですよ。

2.輪っかのメンテナンス

どちらかというと輪っかの消耗の方が早く、1ヶ月で替える方もいますしどんなに長くても1年で替える方がほとんどだと思います。黒いエナメルの輪でしたら、絃に当たる側のエナメルがほとんど剥がれて皮がむけてきたら、エナメルのコーティングをしていない輪っかは皮がめくれてきたら、輪っかの替え時です。また、むけていなくても、輪っかを持ってお爪を揺らしてみてグラグラ動くようでしたら替え時です。すくいづめをしている時に救いづらくなってきた時もそろそろ替え時かなと思って大丈夫です。輪っかは貼り付けてありますので一度外したらもう使えなくなってしまい、他の指と取り替えてということが出来ませんので、新しい輪っかを購入して付け替えてください。輪っかもやはり、一番よく使う親指は消耗が激しいですので、それこそよく練習する方は1ヶ月〜2ヶ月くらいでボロボロになってしまいます。輪っかは号数がありますのでご自分大きさを覚えておくと替える時にスムーズで良いですよ。とはいえ、職人さんの手作りの輪っかは個体差がありますので、自分の指に合わせてから購入しましょう、毎回お琴屋さんに行ったりするのも大変なので、替える時にそれぞれ何個かずつまとめて購入しておくと替えたいタイミングで帰ることが出来ますよ。お爪にちゃんとはめて合わせた輪っかでしたらおうちでも簡単に付け替えることが出来ます。つけるときは木工用ボンドを使う方もいますが、外す時も割と楽な大和糊がオススメです。また、もしピッタリのサイズの輪っかがなければ少しだけ大きいサイズのものを購入し、お爪をつけた後でサージカルテープや絆創膏などで調整すると良いでしょう。

まとめ

いかがでしたか?お琴はお爪を直接指にはめて絃を触りながら演奏する、体に近い楽器です。お爪がまるで自分の指そのままのように自由に思い通りに動けると気持ちよく素敵な演奏ができるようになります。そのためにもお爪の状態はお琴を弾くうえでとても重要です。しっかりメンテナンスをして、いつも最高の状態で弾けるようにしてくださいね。

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