8月ももう終わりですね。なんとなく秋の気配を感じるようになってきました。そして、ブログも久しぶりになってしまいました。
7月は和装の婚礼があったので、新郎新婦のリクエストの曲をアレンジしたり、尺八と一緒に合奏しながら練習したり、久しぶりにお箏の演奏を楽しみました。
主人が結婚式のプロデュース会社をしていまして、1組1組全く違う、そのおふたりらしい結婚式をつくっています。
中でも、白無垢など日本の伝統的な花嫁衣裳を着て、箏と尺八の演奏の中で、お世話になった大切な人に結婚の誓いを立てる、和奏人前式「和奏婚」が新郎新婦に喜ばれています。私も箏奏者として関わらせていただき、幸せのお裾分けをもらっています。
今の時期に結婚式を挙げるのは正直大変なことだと思いますので、おふたりも相当な覚悟で決断されていると思います。感染対策をしっかりして、本当に呼びたい人を厳選して、制限が多い中で挙げる結婚式を見ていると、華美なことは何もないですが、その分お花やお料理によりお金をかけてこだわっている方が多い印象です。不安がありながらも自分たちを祝福するために来てくださるゲストの方に、少しでもその場を楽しんでもらおう、感謝の気持ちをしっかり伝えようという気持ちがすごく伝わる、シンプルでアットホームな、温かいお式になっている気がします。
私たち演奏者も、そんなおふたりとゲストの皆様が気持ちよく過ごせるように、心を込めて演奏しています。
今回は、一流料亭での和奏婚でした。挙式から披露宴までを和楽器の生演奏で彩りながら、親族だけが集まって、美味しいお料理と、久しぶりに顔を合わせるみんなとのお喋りを楽しむ結婚式で、新郎新婦の小さい頃のエピソードに笑ったりほっこりしたり。新婦のお父様の本音にその場のみんなが思わず泣いてしまったり。生まれた時からずっと見守ってくれた方ばかりだからこその感動がそこにはあると思います。
結婚式の演奏をするときは、それぞれのシーンに合った曲を選ぶところから始まります。誓いを立てる挙式は、神聖で厳かな雰囲気の曲、披露宴は楽しく盛り上がれたり、しっとりと感情移入できるように、など、その時の新郎新婦の好みなどを伺いながら全体の流れをまとめます。そこからさらに、選んだ曲のどこから始めてどこで終わるかなど細かいところまで詰めていきます。リクエストがあれば、それがお箏と尺八に合うのか、お箏らしさをどうやって曲に取り入れるかなどを考えてアレンジをしていきます。そして当日は、新郎新婦の歩く速さや進行の流れなどをみながら、テンポを変えたり、弾く場所を変えたりして演奏していきます。臨機応変に対応できるのは生演奏ならではの醍醐味だと思います。
私は、お二人の大切な日を音楽でお祝いできるこの仕事が大好きです。和装で結婚式を挙げる際にBGMにお箏を選んでくれる方がもっと増えるといいな〜。